お客さん全員が他バンドのお客さん、そんな時のグッドモーニングアメリカのライブはどうなる？

2016/09/28 2017/09/03

今回は、9月17日(土)に東京TSUTAYA O-WESTにて行われた、グッドモーニングアメリカのライブレポートをお届けしたいと思います。

Contents

グッドモーニングアメリカって誰？

まずグッドモーニングアメリカについて軽く紹介させていただきます。グッドモーニングアメリカ、八王子出身4ピースバンド、日本コロムビア所属。通称「グドモ」。(以下、グドモ。)大阪のFM802で「餞の詩」が取り上げられ、関東のみならず関西にもその名を轟かせるとともに、待望のメジャーデビュー。

メンバーにひとり半裸にサングラスと印象があまりにも強すぎる「たなしん」がいる。キャッチーでポップなメロディラインの曲も多いが、Vo.金廣の書く歌詞はどこか切なげな曲が多いのも特徴。

前身バンドは「for better for worse.」(通称、フォーベター。以下フォーベター。)というバンドで、ドラム以外は現グドモメンバーで構成されていた。

フォーベターの楽曲はすべて英詩で、「グッドモーニングアメリカ」へ改名と同時に、英詩から日本語詩に路線を変更した。今ではロッキンオンジャパンなどの大型フェスにも常連として出演するほど。

個人的に、かなり初期にはなりますが、「空ばかり見ていた」はグドモの名曲中の名曲と思っています。

今回レポートするTSUTAYA O-WESTでのライブは、グドモの後輩である「Halo at 4畳半」というバンドのイベントで、グドモはゲスト出演ということでした。

もともと、ゲストバンドが解禁される前にチケットはソールドとなっており、会場内はHalo at 4畳半のバンドTシャツを着ているファンばかり。逆にどんな雰囲気のライブになるのかと楽しみでした。

Ba.たなしんの「フライヤー！」の掛け声とともに、ライブスタート。1曲目は「そして今宵は語り合おう」。この曲、先におすすめしていた「空ばかり見ていた」に続く、名曲なんです。

仲間に向けた歌なんだとか。そして、そこからは先輩の腕の見せ所というかのように、アップテンポの「コピペ」、「光となって」、「ミサイルをぶちかましてぇな」、「アブラカタブラ」、中盤からはなかなかライブでやることが少なくなった「花」、ラストは「未来へのスパイラル」でライブを締めていました。

もともとグドモはメジャーデビューする前から観ていたこともあり、今回のこのセットリストは珍しいな、なんて思って観ていたのですが、MCによると「6割くらいHalo at 4畳半のリクエストでした。」とのこと。

このMCで、「Halo at 4畳半はずっと俺たちを好きでいてくれて。もちろん先輩なんだけど、そういうのとか関係なく、今日は呼んでくれてありがとう。」と話していて、バンドマンの先輩後輩の絆まで見ることのできるライブでした。

ライブパフォーマンスとしては、さすが武道館でのワンマンライブを去年に慣行していたこともあり、約50分尺のステージでも、勢いは途切れることなく、確実に一音、一音、演奏しているように感じました。

最後の「未来へのスパイラル」では、出だしをお客さんに歌ってもらうのが彼らの定番なのですが、今回の相手はほぼ全員Halo at 4畳半のお客さん。

それでもいつもと変わらず、歌いだしをお客さんに任せていました。結果は自然とお客さんが合唱し、ホール内は一気にひとつになりました。これってすごいことだと思いませんか？

グドモを目当てで観にきているお客さんはかなり少ないはずなのに、ホール内のほぼ全員のお客さんが未来へのスパイラルを歌っているんです。そこがやはり、フェス常連バンドの貫録と言いますか、あの景色には圧巻でした。

去年、武道館でのワンマンライブも無事終えた彼らには、O-WESTという500名ほどのキャパではもう狭く感じるようになりました。もともとは150名、200名ほどのライブハウスで10年ほど活動していたのに、気付けばもう大きくなっていたんです。

きっと人として中身は何も変わっていないけど、どんどんバンドとして大きくなる彼らは、八王子というホームをとても大切にしています。11月には、東京の八王子フォースアリーナで「八王子天狗祭」というグドモ企画のフェスが開催されます。対バンにはTHE BOWDIESをはじめ、盟友でもあるTOTALFAT、アルカラ、KEYTALKなど豪華なラインナップがそろっています。