「早朝覚醒」と「早起き」は何が違うの?対策って必要なの?
皆さんは、「早朝覚醒」という言葉を聞いたことがありますか?
私がこの言葉を初めて耳にしたのは、睡眠専門のクリニックでのことでした。
その時は、「朝早くに目が醒めるのであれば何も問題ないじゃない。
自分はむしろ朝に目が醒めなくて、困っているのに・・・・」
と心の中で思ったのですが、「早朝覚醒」もれっきとした不眠症の1種で、
かつ困っている人もたくさんいらっしゃるようで、治療を含めた対策が必要となる方もいるようです。
いわれてみると、自分も明け方3時とか4時頃にいきなり電話がなり、「離れて暮らしている両親にもしもの事があったのではないか」と飛び起きて電話をとったもののなんのことはない単なる間違い電話で、思わず「何時だと思っているんだ〜」と声を荒げてしまい、その後興奮してしまってなかなか寝付けないといった体験があります。
ですが、安心してください。この程度であれば早朝覚醒には該当しません。ではどのような状態であれば「早朝覚醒」とよぶのか、
そしてその原因と対策についてまとめてみたいと思います。
「早朝覚醒とは?」
早朝覚醒の定義を専門機関のホームページ等で見てみると、朝普段もしくは予定した時間よりも2時間以上早く目が醒めてしまう。
そしてこの様な不眠の状態がしばしば見られ(週2回以上)、かつ少なくとも1ヵ月間は持続すること。
そして、不眠のため自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること。
これらの全てを満たす状態のことを指すと書かれています。
そして、 「早朝覚醒」には、大きく分けると2つのパターンがあるそうです。
1つ目のパターンは、「老人性早朝覚醒」と呼ばれるもので、お年寄りは早起きだと良く言われますが、その程度が激しく、本人が苦痛を感じたり、日中の生活に支障をきたすと感じたりしている方があてはまる可能性があります。
そして、2つ目のパターンは若い人が該当することも多く見られる「うつ病による早期覚醒」なんだそうです。
「早期覚醒」というのは、うつ病の典型的な初期症状のひとつということですので、決してばかにしてはいけないですね。
「早朝覚醒の原因とは?」
前述の「老人性早朝覚醒」に関しては、加齢と共に「体内時計」の進み方が徐々に早くなってきてしまうことが主な原因と言われています。
この「体内時計」は、人間を含む生物が生まれながらにして持っている時間を計測し、身体の機能を調節するメカニズムのことを指します。
人間の体内時計が認識する1日の周期は、必ずしも24時間ではないらしいのですが、「体内時計」と実際の時間とのズレが大きくなってしまうと、睡眠をはじめとする朝と夜を基本とする身体のリズムが崩れてしまうのだそうです。
一方で、うつ病やうつ病とまでいかなくても若い人に見られる「早期覚醒」は、ストレスや不安などの精神的なものが大きく影響している場合が多いようです。
他にも仕事や学校生活での過度の疲労、不規則な生活、季節の変わり目などに起こりがちな急激な温度変化も早朝覚醒の原因となるようです。
「早朝覚醒の対策」
「体内時計」に起因する早朝覚醒に関しては、ズレを生じた「体内時計」をうまく調節することが、有効な対策となります。その鍵となるのは、「光」です。
人間を含む生物が、1日を認識するのには、朝の明るさを認識することが重要で、これにより「体内時計」を調整し、ほぼ24時間の周期に合わせた生活リズムを送ることができるのだそうです。
私は、快眠のための照明システムというものをショールームで見たことがあるのですが、思った以上に明るさ(照度)が必要で、かつ高価なものでした。
その時には正直、日光浴をすれば事足りるのかなとも思いました。
そして、うまく使わないと睡眠に逆効果となりかねないものとしては、「遮光カーテン」があるそうです。
「遮光カーテン」を使うと朝の明るさによる「体内時計」の調節ができなくなり、徐々に悪影響が出るようです。
ストレスや不安などの精神的なものに起因する「早朝覚醒」に関しては、原因となるストレスや不安を軽減したり、気分転換をはかったりすることで睡眠への影響は軽減できるのだそうです。
そして、「早朝覚醒」を含む不眠症に関しては、「眠れない」と感じることも大きなストレスとなってしまうようで、「不眠ストレス」が蓄積されることで、昼間の生活に大きな支障をもたらす深刻な不眠症へと進展してしまうケースもあります。
頻度の低い「早朝覚醒」に関しては、あまり気にしすぎないというのも悪化させない一つの対策だと思います。
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まとめ
1.「早朝覚醒」とは、
・朝普段もしくは予定した時間よりも2時間以上早く目が醒める
・不眠の状態がしばしば見られ(週2回以上)、かつ少なくとも1ヵ月間は持続する
・不眠のため自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられる
これらの全てを満たす状態を指します。
2. 「早朝覚醒」の原因は、
・加齢や生活スタイルによる「体内時計」のズレ
・ストレスや不安などの精神的なもの
・疲労や不規則な生活、急激な温度変化
が考えられます。
3. 「早朝覚醒」の対策としては、
・「光」を使った「体内時計」の調整
・ストレスや不安の軽減・解消
・睡眠時の環境改善が有効です。
時には、早朝に目が覚めても「早起きは3文の得」とばかりに気分をきりかえ、くよくよ悩まないことも必要ではないでしょうか。